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所詮QLCはQLCでしかないがほとんどの用途では有用 [SSD]

最近出回り始めたQLC NandのSSD。
すでに結論は出ているが、新たにQLCなSSDをテストした記事が出ていた。


QLC SSDを採用した大容量SSDの性能は? 「Samsung SSD 860 QVO」徹底検証
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1811/29/news141.html


これまで三星のQLC SSDが出ている事に気付かなかったが、まァ当然出ているわけで、その貴重なテストレポートとなる。

この記事で意外だったのはSLCキャッシュの構成。

前回ネタにした「Crucial P1」の場合、1TBモデルで最大140GBものSLC領域が確保されていたのに対し、三星の860 QVOは最大42GBとかなり少ないのだ。
そしてそれにも関わらず、耐久性の指標は360TBWと「Crucial P1」の200TBWに対し180%もある。

TBWの基準自体があいまいなので絶対的な指標とは言えないが、この差は誇張にしても大きすぎる。


この耐久性の差は何故なのかと思ったが、SLCキャッシュ外への書き込み速度を見て納得した。

860 QVOは1TBモデルで80MB/s、2TB以上で160MB/sとシーケンシャル書き込みが極端に遅いのだ。

一般論としてNAND Flashのセルは書き込み速度を上げると劣化が早まる。

つまり、劣化を抑えたければ書き込み速度下げれば良い。


この数値は記事の後半にあるベンチマークでもはっきり出ている。
わかりやすいのはファイルコピー時間のテストで、データサイズが96GB以降目に見えて遅くなっているのだ。

とはいえ、一般的な使い方、要はネットを見たり動画や音楽の視聴、そしてSNSなどを使ったコミュニケーションに多少の文書作成などであれば、書き込み速度の落ち込みなど出るはずが無い。

最も需要として大きな顧客層で使ってもらうならば、性能のバランスとしては良いと言える。


一方で最大4TBのモデルが用意される860 QVOは、一部のヘビーユーザーにとって非常に欲しいSSDとなるかもしれない。大容量のSSDが安価に買えるなら、そうおいう向きに需要がそれなりにある事は容易に想像がつく。

が、大量のデータを一気にコピーする時には思ったよりずっと多くの時間がかかる事を実感するだろう。
速度的には比較的低速なハードディスクと変わらないため、これではSSDにした意味が無いと思うかもしれない。


というワケで、大容量のSSDが安価になるQLC Nand採用SSDの一つである三星の「860 QVO」。
カタログスペックは恐らくSLCキャッシュへの読み書き速度しか載らないかもしれないので、それを鵜呑みにすると失敗するかもしれない。

一般的な用途ではQLCのデメリットを実感する可能性は低いとはいえ、そこはやはり所詮QLCというワケであった。




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