QLC NAND 採用のSSDに搭載されるSLCキャッシュの使い道 [SSD]
この記事は先ほど投稿した記事の補足である。
SLCキャッシュというものはMLC NANDの時代から採用される技術で、SSDに搭載されるNAND Flashの一部をSLC動作させ、MLC以降で起きる書き込み速度と寿命の低下をある程度隠蔽させるものである。
今回「Crucial P1」はSLCキャッシュだけでちょっとしたSSDの容量ともいえる大容量、500GBモデルで55GB、1TBモデルで140GBという容量を備えているが、このキャッシュは単なる「書き込みバッファ」としてだけ利用されているわけではないと私は考えている。
どういう事かと言うと、特に書き換え頻度が高いファイルの保存場所になっている、という事だ。
一旦書き込まれたら書き換えが発生しないファイルはQLCの部分に書き込み、書き換え頻度が高いファイルのみSLCキャッシュに置き、書き換えはSLC領域の中でのみ完結させる。
そうすればQLC領域の消耗はかなり抑えられるからだ。
そう考えなければ、キャッシュと言うには大きすぎるSLC領域が確保されている理由の説明が付かない。
先の記事にも書いた通り、今後はこのSLC領域がもっと少ないSSDが当たり前に出回るようになるだろう。
そういうモノはそれに相応しい使い方があるので、それに合致する限りなんの問題もない。
ただ使い方は人それぞれであり、自分の使い方を理解し、かつSSDの製品ごとに設定された使い方を理解できなければ、後で痛い目を見る事になるわけだ。
SSDを買う時、とりあえず値段と容量だけ見て買えば良い時代は間もなく終わりを告げるだろう(尤もそうならない可能性もゼロではないが)。
そしてNAND FlashがSSDのデータ保存デバイスとして利用される日が終わるまで、使い方を考えながら製品を選ばなければならない時代が続く事になると私は考えている。
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