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「Uberの自動運転車で死亡事故」というニュースに思う [クルマ]

今日、こんなニュースをネット上で見つけた。


Uberの自動運転車で死亡事故--公道試験を停止
https://japan.cnet.com/article/35116397/


過去にはテスラのクルマでも死亡事故が起きているが、それは運転手自身が命を失った事故だった。
しかし、今回Uberの自動運転自動車が起した事故は他人を巻き込んでの死亡事故で、自転車を押して道路を横断していた人を轢き殺してしまったというものだ。

昨今はいくつかの地域で、一般公道での実証試験が行われ、或いはこれから行われるという状態。
すでに始まっている試験運行ではその内に必ず起きると思っていたが、意外と早く起きたと思う。(あれだけ自信を持ってやっているのだから、もっとマシなモノが出来ていると思っていた)

事故を起したUberの試験は当然に中止となったが、他の現在進行中の試験もこの事故が発端となって中止や延期になるだろう。


こうした事故は、新しい技術が開発されれば必ず起きる類のものだ。

現在機械的な意味での安全性において極まりつつある自動車であるが、自動車が実用化されたばかりの頃は事故率が高く死亡事故も起きまくっていた事だろう。自動車ではないが、初期の飛行機だって落ちまくって死屍累々だったはずだ。そういった犠牲の上で技術が進歩していった結果、現在の安全性が高い乗り物へと進化したのである。


しかし自動運転の場合は少し事情が違う。

何故なら、自動車の自動運転の場合は既存のすでに安全性が確立した乗り物を、人の手を介さずに走行できるようにするというものであり、大衆の認識も既存の自動車との比較になるからだ。

しかも、自動運転のコンセプトで最も重要な要素が「機械は人間と違ってミスをしない」という前提での“安全性”である。要するに自動運転の自動車が普及すれば、交通事故が劇的に減るというワケだ。

そこへ来て今回の死亡事故。
自動運転自動車の存在意義を真っ向から否定する事故である。

私は常々、自動運転の実証試験は時期早尚だと思っていた。
極めて限られた条件での元ならばまだしも、一般に利用させるというのは論外だと。
何もかもが足りていないのに、多少の実験的運用が成功したからといって気が大きくなっている人が多すぎる。

しかも今回の事故は、運転席に人が乗っていたにも関わらず起きている。
事故を起した車両は万が一のために運転手が乗っていて、いつでも操作が出来るようにしていたのだ。
これは、自動運転されたクルマに運転手が乗っていても緊急回避のための引継ぎなど不可能である事を示している。あっと思ってからハンドルを握って自動運転を解除しても、その時にはもう事故の回避など出来ない。運転手が、クルマが勝手に走る事に慣れれば慣れるほど、危機に対する反応は鈍くなるのだ。


というわけで、日本国内でも予定されている実験は、実験の条件を厳しく設定して安全性を担保するか、現在よりも完成度の高い実験車両を完成させてから行って欲しいと思う。そんな悠長に構えていては何年後に実験できるかわかったものではない、という意見が多いと思うが、10年や20年遅れたって実験による巻き込まれ事故が起きない方が良いに決まっている。(実験の当事者が死ぬのは尊い犠牲として納得できるが)

実験に巻き込まれて死ぬなんて、私はゴメンだ。


参考:

完全自動運転のクルマは本当に可能なのか?
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-02-05

セレナの自動運転機能搭載車が発売される
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2016-07-31

自動運転技術、未完のまま市場に出る恐れも
http://eetimes.jp/ee/articles/1510/20/news072.html

Uberの自動運転車によるサービスはなぜ中止に追い込まれたのか?
https://response.jp/article/2016/12/25/287550.html



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98式軍刀

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by 98式軍刀 (2018-03-23 20:36) 

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