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マイクロ波アシスト記録のハードディスク [ハードディスク]

WD、2025年までに40TB超のHDDを実現へ
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1086000.html


この記事によると、米Westen Digital(以下WD)は「マイクロ波アシスト記録(以下MAMR)」を採用した新型ハードディスクを2019年に製品化し、2025年までに40TB以上のHDDを実現できると発表したらしい。


以前私はパソコン用ハードディスク大容量化の歴史などという記事を書いたが、当時私が調べた時はMAMRという技術の存在に気付かなかった。今回改めて調べると、少なくとも2010年頃からいくつも記事がネット上に上がっているようで、私自身の勉強不足が恥ずかしい。(※MAMRについて調べる過程で他にも私が知らなかった技術が色々発見できた事がうれしい)

次世代超高密度HDDに向けたマイクロ波アシスト記録の基本技術を開発
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2010/11/1105.html

ところでMAMRとは大雑把に言うと、「磁化反転しにくい強力な磁石に磁気的な振動(高周波磁界)を与えて磁化反転しやすくする」という技術のようだ。

これに対し以前記事に書いた「熱アシスト記録(以下TAMR)」は、熱で磁化反転しやすくする。TAMRは2015年にTDKが2016年中に製品化という発表を行っていたと記憶しているが、2017年現在TAMRを使ったハードディスクが製品化されたという話は聞かない。一体どうしたのかと思っていたのだが、今回見つけた記事によると材料や信頼性に課題があるらしく、製品化に当たってこれらを低コストで解決する方法が確立されていないのではないかと思われる。

この点MAMRは材料に関して従来の技術のまま応用が可能なのか。
イメージ的には熱よりも高周波磁界の方が材料にやさしい感じはする。


なんにせよ、これまでいくつかのハードディスク大容量化技術が出ていたが、垂直磁気記録と同レベルの画期的な技術が実用化されるのは久しぶりだ。これに近い技術としてはプラッタ(ハードディスク内部の円盤)の限界枚数を引き上げたヘリウム封入型ハードディスクがあるが、こちらは記録密度を上げる事とはかなり意味が違う。

この技術は製品の販売が始まったとしても当面は業務用の製品に限られるだろうが、一般向けにも普及すれば二桁テラバイトのハードディスクが当たり前になる時代も来る事だろう。
2.5インチで厚さ7mmのハードディスクが10テラバイトなんていうのも、数年内に出てくるかもしれない。


参考:

マイクロ波で超高密度記録を狙う次世代HDD技術
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/582232.html

限界と常に闘い続けるHDDの記録密度向上技術
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/582047.html

新しい高密度記録技術─エネルギーアシスト磁気記録媒体
http://www.fujielectric.co.jp/about/company/jihou_2010/pdf/83-04/FEJ-83-04-257-2010.pdf

ハードディスクの高密度化を実現する多層磁気記録に関する新技術を実証
https://www.toshiba.co.jp/rdc/detail/1507_01.htm



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