HDR量子ドット液晶? [ハードウェア]
今日、ネット上にこんな記事があった。
ASUS、32型4K HDR量子ドット液晶「ProArt PA32U」発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1038082.html
HDRはわかる。HDRとは「High Dynamic Range」の略で、簡単に言うと明るさの表現範囲が今までより広がるという事で、私が昨年書いた記事にも出ている言葉だ。
が、量子ドットというと、私は撮像素子に関する記憶しか無い。(この件は記事にしていない)
量子ドット 撮像素子
https://duckduckgo.com/?q=%E9%87%8F%E5%AD%90%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%88+%E6%92%AE%E5%83%8F%E7%B4%A0%E5%AD%90&t=ffsb&atb=v28&ia=web
要は通常のCMOSイメージセンサに量子ドット技術を応用すると、従来の技術よりもより銀塩写真フィルムに近いダイナミックレンジが得られ、黒ツブれや白トビの少ない画像データが得られるという事だった。
しかし今回の液晶ディスプレイは映像を受信する装置ではなく出力する装置である。
正直初耳だ。
だが調べてみると、液晶テレビでは2013年頃から採用(SONYのTRILUMINOUS Display)が始っている別段目新しい技術ではない事がわかった。しかし何故今頃になって、パソコン用ディスプレイにこのような宣伝文句が踊る製品が出たのだろうか。
私の想像だが、これは用途の違いによって一般のパソコン用ディスプレイでは色の表現が重視されて来なかった(色の表現が重視されるプロ用は色域の広さよりも正確さの方が重要)事と、これから4Kが当たり前になる時代を前に差別化の要素としてパソコンでもBT.2020規格のような広色域とHDR対応が重視されて来ているからなのだと思う。
で、HDR量子ドット液晶に関する肝心の中身だが、どうやらバックライト(白色LEDや液晶パネルに貼るシート又はLEDに使う蛍光体)に関する技術のようである。
そして高性能化の対価として、製造コストが高いという事もわかった。
さらにこの量子ドット技術を応用した液晶ディスプレイで技術的に進んでいる関連日本企業では、高コストな量子ドット技術を使用しないバックライト用白色LEDの開発にも成功しているらしい。
この事実は、かつて高性能スポーツカーの代名詞であった「DOHC」や「ターボ」と同じ感じがする。
今や「DOHC」や「ターボ」など使わなくても、当時のエンジンよりもはるかに高性能なエンジンが作れる時代であるからだ。(それらが無くてもリッター100馬力越えは当たり前に作れる)
要は新しい製品を売るために、パソコン用ディスプレイでは新しい技術を「なんとなくそれっぽい記号や言葉」で表現し、商品に付加する事で付加価値を付けようという事なのだろう。
しかし今回の「HDR量子ドット液晶」は、すでに時代遅れになりつつある技術。ただ、知らない人が大多数であると思われる。“量子ドット”という単語を知らなければきっと、私のように疑問を抱くという事もない人が多いだろう。
とはいえ、それでもリンク先の記事にある「ProArt PA32U」は「sRGBカバー率100%、DCI-P3カバー率95%、Adobe RGBカバー率99.5%、Rec 2020カバー率85%」と、スペック上ではかなり立派な性能である事は確か。
パソコン用ディスプレイの4K対応黎明期が終わりを告げる製品としては、象徴的ではないだろうか。
ASUS、32型4K HDR量子ドット液晶「ProArt PA32U」発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1038082.html
HDRはわかる。HDRとは「High Dynamic Range」の略で、簡単に言うと明るさの表現範囲が今までより広がるという事で、私が昨年書いた記事にも出ている言葉だ。
が、量子ドットというと、私は撮像素子に関する記憶しか無い。(この件は記事にしていない)
量子ドット 撮像素子
https://duckduckgo.com/?q=%E9%87%8F%E5%AD%90%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%88+%E6%92%AE%E5%83%8F%E7%B4%A0%E5%AD%90&t=ffsb&atb=v28&ia=web
要は通常のCMOSイメージセンサに量子ドット技術を応用すると、従来の技術よりもより銀塩写真フィルムに近いダイナミックレンジが得られ、黒ツブれや白トビの少ない画像データが得られるという事だった。
しかし今回の液晶ディスプレイは映像を受信する装置ではなく出力する装置である。
正直初耳だ。
だが調べてみると、液晶テレビでは2013年頃から採用(SONYのTRILUMINOUS Display)が始っている別段目新しい技術ではない事がわかった。しかし何故今頃になって、パソコン用ディスプレイにこのような宣伝文句が踊る製品が出たのだろうか。
私の想像だが、これは用途の違いによって一般のパソコン用ディスプレイでは色の表現が重視されて来なかった(色の表現が重視されるプロ用は色域の広さよりも正確さの方が重要)事と、これから4Kが当たり前になる時代を前に差別化の要素としてパソコンでもBT.2020規格のような広色域とHDR対応が重視されて来ているからなのだと思う。
で、HDR量子ドット液晶に関する肝心の中身だが、どうやらバックライト(白色LEDや液晶パネルに貼るシート又はLEDに使う蛍光体)に関する技術のようである。
そして高性能化の対価として、製造コストが高いという事もわかった。
さらにこの量子ドット技術を応用した液晶ディスプレイで技術的に進んでいる関連日本企業では、高コストな量子ドット技術を使用しないバックライト用白色LEDの開発にも成功しているらしい。
この事実は、かつて高性能スポーツカーの代名詞であった「DOHC」や「ターボ」と同じ感じがする。
今や「DOHC」や「ターボ」など使わなくても、当時のエンジンよりもはるかに高性能なエンジンが作れる時代であるからだ。(それらが無くてもリッター100馬力越えは当たり前に作れる)
要は新しい製品を売るために、パソコン用ディスプレイでは新しい技術を「なんとなくそれっぽい記号や言葉」で表現し、商品に付加する事で付加価値を付けようという事なのだろう。
しかし今回の「HDR量子ドット液晶」は、すでに時代遅れになりつつある技術。ただ、知らない人が大多数であると思われる。“量子ドット”という単語を知らなければきっと、私のように疑問を抱くという事もない人が多いだろう。
とはいえ、それでもリンク先の記事にある「ProArt PA32U」は「sRGBカバー率100%、DCI-P3カバー率95%、Adobe RGBカバー率99.5%、Rec 2020カバー率85%」と、スペック上ではかなり立派な性能である事は確か。
パソコン用ディスプレイの4K対応黎明期が終わりを告げる製品としては、象徴的ではないだろうか。
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