2015年のハードディスク各社信頼性比較 [ハードディスク]
数年前から毎年自社で使用するハードディスクの故障率を公表している、Backblaze社のBlogを訪問してみた。
ここの内容は2014年までGIGAZINEで取り上げられていたのだが、最新のデータである昨年のものを見ていないので元記事を探してみたというわけだ。
その2015年10月に発表された記事はこれ。
Hard Drive Reliability Stats for Q3 2015
https://www.backblaze.com/blog/hard-drive-reliability-q3-2015/
記事によると、2015年は50,228台のハードディスクをBackblaze社のデータセンターで使用していて、故障率は9月に1年分を集計。
掲載されている表を見ると、使用している全てのメーカーとハードディスクの機種と容量ごとに使用している台数や故障率を表にまとめていることがわかる。
表を見るとわかるが、機種ごとに台数(表中のMax # in Serviceの値)が違うし、一般のパソコン用とデータセンター等のエンタープライズ向けやNAS用など、用途向けによる信頼性の違いなどが混在するので単純に比較は出来ない。
しかし大雑把な傾向としては十分信頼に値すると思うし、こうしたモノはいわゆるクジ引きなので、ここで出た故障率はクジ引きでハズレを引く確率だと思えば良いだろう。
以下は元記事の表から私がデータを抽出し必要と思うものをまとめた表と、その表を元に2015年のデータをメーカーと容量別にグラフ化したものである。
それにしてもSeagateの3TBは壊れすぎだ。故障率30%というのは尋常ではない。
しかし4TBから上の容量では優秀な成績を収めている。2014年のデータでも同様の傾向だったが、これは大容量の機種ほどエラーの少ない部材を使用しているからなのか、単に大容量の機種は発売から日が浅いために稼働時間が短いのでまだ壊れていないだけなのか、判断が難しい。
一方HGSTは相変わらず頭抜けて優秀である。5TB以上で3.4%とHGSTの中では悪いデータが出ているが、これは初物のヘリウム封入タイプであるUltrastar He8のデータなので、今後改良を重ねるごとに下がると思われる。そして大容量の機種ほど故障率が下がるのはSeagateと同じだ。こういう傾向は心理的には納得できるものがある。
Western Digital(以下WD)は今回全体的に悪い成績だ。消費電力が低く発熱も少ないので安心して使える印象が強いが、まあこんなものか。テラバイトクラスが出回る以前よりWD製ハードディスクの信頼性はそれほど高くは無かったので、素直に受け入れる事が出来る内容。
最後は東芝。
東芝は2012年にWD傘下に入ったHGSTの日本国内にあるハードディスク生産工場を譲渡されてから3.5インチハードディスクの製造を始めた。なので2012年当時はHGSTの販売するものとまったく同じものを生産していたが、現在は自社技術の導入でHGSTのものと違うと思われる。東芝は昔から2.5インチのハードディスクを開発・生産し、その2.5インチハードディスクの信頼性はかなり高いのでそのノウハウが活かされたと思われる好成績である。
しかしHGSTと比べるとさすがに劣る感じだ。今後さらに故障率が下がることを期待したい。
というわけで、2015年もHGST製のハードディスクが最も信頼性が高い事が判明した。
このデータが購入時の参考になれば幸いである。
※参考記事
ハードディスクはどこのメーカー製が一番壊れにくいのかが2万5000台の調査結果でついに明らかに
http://gigazine.net/news/20140122-hdd-survival-rate/
HDD約3万5000台を運用した実績からSeagate製品の圧倒的壊れっぷりが明らかに
http://gigazine.net/news/20140924-hdd-reliability-sep2014/
ここの内容は2014年までGIGAZINEで取り上げられていたのだが、最新のデータである昨年のものを見ていないので元記事を探してみたというわけだ。
その2015年10月に発表された記事はこれ。
Hard Drive Reliability Stats for Q3 2015
https://www.backblaze.com/blog/hard-drive-reliability-q3-2015/
記事によると、2015年は50,228台のハードディスクをBackblaze社のデータセンターで使用していて、故障率は9月に1年分を集計。
掲載されている表を見ると、使用している全てのメーカーとハードディスクの機種と容量ごとに使用している台数や故障率を表にまとめていることがわかる。
表を見るとわかるが、機種ごとに台数(表中のMax # in Serviceの値)が違うし、一般のパソコン用とデータセンター等のエンタープライズ向けやNAS用など、用途向けによる信頼性の違いなどが混在するので単純に比較は出来ない。
しかし大雑把な傾向としては十分信頼に値すると思うし、こうしたモノはいわゆるクジ引きなので、ここで出た故障率はクジ引きでハズレを引く確率だと思えば良いだろう。
以下は元記事の表から私がデータを抽出し必要と思うものをまとめた表と、その表を元に2015年のデータをメーカーと容量別にグラフ化したものである。
それにしてもSeagateの3TBは壊れすぎだ。故障率30%というのは尋常ではない。
しかし4TBから上の容量では優秀な成績を収めている。2014年のデータでも同様の傾向だったが、これは大容量の機種ほどエラーの少ない部材を使用しているからなのか、単に大容量の機種は発売から日が浅いために稼働時間が短いのでまだ壊れていないだけなのか、判断が難しい。
一方HGSTは相変わらず頭抜けて優秀である。5TB以上で3.4%とHGSTの中では悪いデータが出ているが、これは初物のヘリウム封入タイプであるUltrastar He8のデータなので、今後改良を重ねるごとに下がると思われる。そして大容量の機種ほど故障率が下がるのはSeagateと同じだ。こういう傾向は心理的には納得できるものがある。
Western Digital(以下WD)は今回全体的に悪い成績だ。消費電力が低く発熱も少ないので安心して使える印象が強いが、まあこんなものか。テラバイトクラスが出回る以前よりWD製ハードディスクの信頼性はそれほど高くは無かったので、素直に受け入れる事が出来る内容。
最後は東芝。
東芝は2012年にWD傘下に入ったHGSTの日本国内にあるハードディスク生産工場を譲渡されてから3.5インチハードディスクの製造を始めた。なので2012年当時はHGSTの販売するものとまったく同じものを生産していたが、現在は自社技術の導入でHGSTのものと違うと思われる。東芝は昔から2.5インチのハードディスクを開発・生産し、その2.5インチハードディスクの信頼性はかなり高いのでそのノウハウが活かされたと思われる好成績である。
しかしHGSTと比べるとさすがに劣る感じだ。今後さらに故障率が下がることを期待したい。
というわけで、2015年もHGST製のハードディスクが最も信頼性が高い事が判明した。
このデータが購入時の参考になれば幸いである。
※参考記事
ハードディスクはどこのメーカー製が一番壊れにくいのかが2万5000台の調査結果でついに明らかに
http://gigazine.net/news/20140122-hdd-survival-rate/
HDD約3万5000台を運用した実績からSeagate製品の圧倒的壊れっぷりが明らかに
http://gigazine.net/news/20140924-hdd-reliability-sep2014/
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