Windows 10はAndroid端末に上書きインストール出来る?

今日のGIGAZINEの記事にこんなものがあった。
Androidを上書きする「Windows 10」のカスタムROMをMicrosoftが開発中、スマホ勢力図が激変する可能性


記事の内容を簡単にいえば、既存のAndroid端末（スマートフォンやタブレット等）に対し、Windows PCに対する新規インストールと同様の事が可能になるというのだ。

しかしこれは技術的にとても難しい事だと思う。
特に、電源投入直後に読み込まれるファームウエアとブートローダーの書換えをどうするのかという問題があり、私の拙い知識で考えられる事はSPI FlashROM上のファームウエア書換えはせずに、ストレ－ジ上に書き込まれたAndroidのブートローダーを書き換えてブートシーケンスを途中でフックし、そこからWindowsのブートローダーを呼び出す事で回避するくらいしか思いつかない。

このブートに関する問題を回避したとしてもまだ問題は残る。
それは、あまりにも統一性の無いARM系SOCとその周辺のハードウエア構成をどう吸収するのか、という事だ。以前記事に書いたが、ARM系SOCは製造するメーカーや型番が異なると同一のバイナリが動作する保証が無い。Androidの場合はハードウエアごと専用に作られたLinuxベースのOS上にAndroid仮想マシンを走らせる事でこれに対応しているが、Windowsの場合でも同様の事をするのだろうか。
デバイスドライバで吸収出来る様な差異ならば何も問題が無いのだが。

そしてこれら二つの問題は、Windows 10のインストーラを複雑化させ、場合によってインストールの失敗の原因にもなる。実際の所、WindowsのメインプラットフォームであるIBM PC/AT互換規格に則った仕様のPCであってすら、インストールの失敗という現象はまれに起きるのだ。


そんなわけで、個人的には既存のAndroid端末にWindowsをインストール出来るという事は非常に歓迎したいことなのだが、実際問題としてそれが可能なのか、可能としてどの程度のものなのか、インストール出来る機種が極めて限られるんじゃないだろうか、と、色々思ってしまうのである。

コメント 2

ブートローダーのアンロック。
グローバルモデルの端末では常識だし、そういう事に慣れ親しんでいる人口が多いという理由で中国が選ばれたと書いてある。
by NO NAME (2015-06-16 10:32) 

NO NAME 様、コメントありがとうございます。

ブートローダーのアンロックですが、ここに書いた問題とは別なので関係ありません。

問題なのはAndroid端末のUEFIにAndroidのブートローダーが組み込まれている事で、例えば内臓のeMMCを完全にまっさらにしてもUEFI起動時にAndroidの最初のロックを解除する画面が出てきます。

なので、eMMCに他のOSを書き込むだけではそのOSを起動させる事が出来ませんので、UEFIをそのOSの起動に対応するものに書き換える必要が出てきます。アンロックはその時に必要になりますね。

ここで問題になるのは機種ごとにUEFIが全て違う事です。
なので、現在動作しているAndroid端末でWindowsを導入できる端末は、すでにWindowsに対応するUEFIを持つ端末か、端末メーカーよりWindows対応のUEFIが提供される機種に限られると思われます。
by 98式軍刀 (2015-06-17 19:27)